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2. 世論調査

 世論という漢字を「せろん」だけでなく、「よろん」とも読むようになったのは1946(昭和21)年暮れ以降、毎日新聞が使用し始めたのが皮切りである。それまで使われていた「輿論(よろん)」が、このころ、制限漢字として使用できなくなった。世論調査関係者などは、対案として与論、與論、民論、よ論、公論などを考えていた。当時の本社輿論調査部員・宮森喜久二が「輿論」から「世論」への切り替えを朝日新聞に提唱し、共同歩調をとったことが統一使用のきっかけとなった。

 世論を「よろん」と読むようになったのは、戦後の民主主義が背景にある。従来、「世論」は戦時中、「世論(せろん)にまどわず」などと流言飛語か俗論のような言葉として使われていた。これに対して「輿論」は「輿論に基づく民主政治」など建設的なニュアンスがあった。初登場したのは46年12月8日付紙面で、教員ストをめぐる文部大臣の記者会見を紹介した原稿の見出しとして「世論がさばく」が使われた。朝日は翌9日付の世論調査を伝える紙面から使用を始めた。本社が「世論調査」の言葉を使ったのは16日付、吉田内閣の支持率調査である。

『「毎日」の3世紀〜新聞が見つめた激流130年』(別巻38〜40頁)から

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